10人の壁

一人で始めて10年。人が増えたり減ったりで10人の壁を超えて安定出来ないです。
10人の壁、これよく言う言葉ですよね。
うちと同じ様に試作、多品種小ロットをメインにしている加工会社で10人以上の所って少ない様に思います。
なんでだろ?

試作単品小ロットと簡単に言うけど、これが事業として成立するには、(見積り時間内で)作れなきゃ話しにならない。
試作単品と言っても「他の誰も作れない」訳では無いし、同じ様な工作機械を使っているので大体同じ様な価格になる。(市場価格)
私が今まで様々な加工会社や製品を見てきた感覚で言うと、市場価格>人件費になる様に試作単品を作るには、5年以上の経験が必要(それも濃い5年)と見えます。これが出来る人が圧倒的に少ない。
まぁ散々書いてる事ですが(;^ω^)

単純に人を増やすのは簡単です。応募して来た人を採用すれば良い。
うちの様な5~10人の会社でも募集かけると5人以上の応募がありますし、ハローワークからの紹介もあります。

ですが多品種小ロットが主の会社だと、未経験者は教えないと殆ど何も出来ません。
そして経験者でも転職市場に出てくる人は所謂「脱着くん」が多く、自分一人で作ると言う事が出来ず多品種小ロットの会社にはマッチしません。経験者と言っても未経験者と同じ様に教える必要があります。

かと言って教える立場の人は忙しくて、十分に見てあげる事が出来ません。
この堂々巡りを何とかしないと試作、多品種小ロットメインの会社が大きくなるのは困難です。
ではどうすれば良いのか?
答えは「時間かけて地道に育てるしか無い」です。

何かうまいやり方があって、出来る人材をバシっと獲得!からのジャンプアップが出来る!
ずっと夢を見続けて来ましたが、いい加減目が覚めましたw。
見込みのある人を大事に育てて行くしか方法無いんです。そうして育てた人の下に1~2人配置する。この方法なら10人の壁は突破出来そうです。
育てる期間はやっぱり5年、最低でも3年は必要な様に思えます。これ位かければ自分以外に面倒みれて尚且つ自分の仕事(試作単品製作)も出来そうです。

ただしその3~5年の間、どう繋いでいくか?となるとこれまた難しい。ここで中ロット以上の仕事があると楽になります。
そう、10人以上を目指していくと試作、多品種小ロットだけでは経営が難しくなる。今まで手を出さなかった量産物を主流に据える必要が出てくるんです。
これまた回す為に人が必要だし、上手く人を確保したとしても永久にその中ロットの仕事が続く訳では無い。となると次々に中ロット以上の仕事を取って行く必要がある訳で...ん?多品種小ロットから少品種中ロット(以上)の会社になってますね(;´Д`)。
難しい品物を出来る職人がやりつつ、中ロット品を未経験者~3年目位までが行い、3~5年目で徐々に単品の仕事を行って行くと言うのが理想ですが、上手くハマるまでには特定の人(私w)にかなりの負荷がかかる事になります。

自由に価格が付けられれば良いんだけどなぁ。S45C 一般交差、外径φ100、肉厚5mm、厚さ20mmのS45Cのリング1個30,000円で10個!とか?
汎用機で広瀬すずが作りました!とかならありえるかな?(笑)
今現在、自由に価格が付けられるフロンティアな製品ってあるかな?入手が難しい材料(例えばパーメンジュールとか)の加工は、リスクヘッジの意味で高値を付けざるを得ない場合がありますが、それ以外はどう計算しても機械1台当たりの時間単価は大体6,000円前後かと思います。簡単な仕事だと3,000円位でしょうか。これで数量増えると更に安くなる。
この状況でじっくり人を育てるのは、中々難しい。この辺にも零細から小企業へのレベルアップが難しい理由があると思われます。

かと言ってやらなければ、いつまで経っても0点。
諦め悪く続けて来たら、いつの間にか良くなってきました。

以前の記事で「25~35位の中堅所の男性が居るとちょうど良いんですが...」と書いたんですが、彼がその中堅所に成りました。


現在二年目の彼とアイキャッチの女性従業員と産休中の女性従業員(10月復帰予定)。何んだかセンターラインが形成されてる?
再度10人の壁に挑む時が来ましたかね?

10人の壁を突破した後は30人、100人と壁は続きますが、これまた諦め悪く挑んで行きたいです。


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