時間の使い方

ちょっと前の新聞に「中小製造業に副業の波」なる記事が載っていました。
メリットとして人件費が押えられる、従業員側は収入が増える等が書いてありましたが...

雇う側、雇われる側双方一番良いのは本業で充分な利益(給与)を得る事だと思います。(その上で空いてる時間を副業に使うと言うのはアリかもしれませんね。)
本業と言っても当然色々あるのでケースによって様々だと思いますが、時間は誰にとっても平等で有限です。
うちの様な「人の技術力」が給与の大部分を占める様な業態だと、副業に使う時間は本業の方に振り分けた方が良いのでは?と思ってしまいます。

どんな仕事もいきなり出来る訳では無く、出来る様になるまでの時間が必要です。
有名な1万時間の法則アンダース・エリクソン)が思い浮かびます。一流になるには?と言うのが根底にあるので賛否ありますが、人より秀でるには「時間の質と量」が大事と言う事です。

1万時間の法則が有効だとすると普通に働いて大体5年です。
我々の業界でも職歴が5年程度経過すると、一番効率良くお金を得られるのは本業になってくると思います。
ここから更に突き詰めて10年程度の経験が貯れば、それを元手に違う展開(独立とか)を模索出来る等、選択肢が増えるし効率が良いです。
18から始めれば30手前で到着出来ます。
大卒の22から始めても30ちょい過ぎ。大抵は機械工学等の近い所に居ると思うので更に深く理解出来るし、手に技術が付いている状態で設計(構造計算等)にも知見を広げる事が可能です。全体の構造をきちんと理解している職人、または機械加工に深い知見を持った設計士。
よく聞く話しじゃないですか?「こんな精度要らないのに...設計は機械加工の事を何も解ってない」「この締めシロなら動かない。その理由が今まで大丈夫だったから?職人の勘?きちんと計算した数値ならいざ知らず、そんな曖昧な理由で設変なんて出来ない」等々。
これを解決出来るスーパーマンの誕生(特別な才能は何も要らない)。正しく鬼に金棒状態になれます。(若い頃の勉強ってホント大事だよなぁって書いてて思う)
30前後でこの状態になれれば、後の人生でかなり選択肢が増えると思うし、今の人生観(結婚観)にもマッチしてる様に思えます。

世の中が便利になって、どんどん時間が加速しているのに対し、我々の頭はそれについて行けるほど進化してるでしょうか?
クロックアップ出来ない我々の脳は今の情報化社会に付いていくだけで精一杯に思います。(中には居ますね、IT業界の革命児等の呼び名で呼ばれる人達。)
副業に時間を割くと、一時的に所得が増えたりする事があるかもしれませんが、長い目で見ると本、副どちらも中途半端で結果、付加価値があると言えない人間が完成されてしまうのでは?この忙しい時代、有限で貴重な時間を安易に副業に費やしても良いものか?って思うんです。

それに本業一本がそんなに悪い(嫌な)事ですかね?「仕事に時間を取られるのは人生無駄にしてるのと同じ。」と言う様な主旨のセリフを良く聞きます。「その余計な時間、副業に使うのが賢いやり方」みたいな感じです。だけど、その副業にしても本業終わってから仕事する訳ですよね?
要するに自分の時間(お金)を投資して投資した以上のお金を稼ぐって事ですよね。
だったら他者より有利に立てる本業での知見を活かしてそれを伸ばし、更に本業で稼ぐ方が効率良いと思うしリスク対策の観点から見れば会社員の立場の方が圧倒的に安全だと思います。
続けた事で身になった経験(スキル)と言うのは、現在の様な不況の時に大いに役立つと思うんです。(不況じゃ無くても役に立つ)

役に立つレベルまでスキルを磨き上げるのは簡単じゃ無いです。よほどの才能が無い場合(知恵を絞り工夫する必要もありますが)地道に続ける事はとても有効な手段なのでは無いか?
それを考慮した上で副業の事も考えた方が良いのでは?と言いたいです。時間は有限だから。

記事を読んだり、ニュースで見たりして「政府が主導してるんだから、副業は良い事なんだ!」と額面通りに受け取る人が多くなるのは、ちょっと危険なのでは無いでしょうか?
20代から30代半ば位の人が技術を深堀りせずに小手先の技術で可能な副業に時間を使った結果、40代、50代になった時にどうなるのか?そこからでも逆転可能と思い続けるのでしょうか?と思った次第です。

最後にちょっと古いけどカイジってマンガに出てくる利根川って悪役の言葉が結構刺さるので引用させてもらいます。*1


悪役の言葉が刺さっちゃうなんて、私自身も悪役って事かな?(;´Д`)
まぁ人それぞれですが、本当に良い時間の使い方をしたいですよね。

*1
賭博黙示録カイジ(7巻)より


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