振れ止め

長尺、所謂長い品物を加工する上で欠かせないのが振れ止めです。
移動、固定とありますが、上手く使うと加工の幅が凄く広がるとても使える道具(治具)です。
(このブログでもちょくちょく出てきます)

長尺と言うと長いシャフトやロール形状の物がまず思い浮かびますね。
基本的にセンター支持での旋削になります。
(センター支持での加工もポイントがいくつかあります)

それともう一つは長いパイプ形状の内径の加工です。
いずれにしてもポイントになる点は、最初の基準だしです。
振れ、歪を考慮しないで進めてしまうと、後で手が付けられない酷い仕上がりになってしまうので、ここは本当に重要だと思います。


これは内径ホーニングした材料です。(見難いですね、すいません)
内径面粗度が厳しい、穴径に対して全長が長い(面粗度が厳しい場合は研磨も選択肢に入りますが全長が長い場合は厳しい)となるとホーニングの出番という訳です。
品物の形状にもよりますが、大体ホーニングは最初の場合が多いです。
工程は、ホーニング>切削加工>表面処理等と言った順番になります。

ただ問題として最初にホーニング加工となると黒皮の材料に穴加工と言った姿で渡される事が多く、最初の心出しが意外と大変だったりします。
要するに内外径の心(同軸度)です。
基本的に図面に指示されてない場合、どれ位の数値を目標とするか?
これは各会社の考え方によって違いが出る所ですが、精密機械加工を謳っている場合は、普通交差(寸法の場合はJIS B 0405)で言う所の精級が目安かと思います。

同軸度の場合、普通交差は規定されてません(大凡の基準はあります)しデータムが指示されていないと何とも言えませんが製品の形状や性質でどこが肝なのか?は機械加工をしている者であれば見当付くと思います。
この品物の場合、内径ホーニングですので内径が肝。となると内径基準で考えた方が良いかな?と言った具合です。(全然気にしないで良いですよ、とお客様は仰ってましたが...^_^;)

内径基準で心を出す。この時も適当にローリングセンター等で先端支持して外径削れば大体内外径の同軸はOKと思っていると全く精度が出てない品物が出来てしまうので、最初の一手は大事です。
もちろん品物の大きさにもよりますし、同軸度の場合基準が無ければ交差幅は大きいですが、せめて0.1以内、うちの場合は0.05が普通で0.02を目標値としています。
少し話しがそれてしまいましたが、この様に長尺物を内径基準で加工する必要がある時も振れ止めはとても役に立ちます。

たまに汎用機を使ったり、汎用機が会社にある場合、振れ止めを使う様になると選択の幅が広がります。
(汎用機で丈とセンターを加工しておいて、後の加工はNCで等)
精密機械加工をしている方からすれば、基本は大した技術では無いので一度見直してみるのも良いかと思います。
使えると本当に役に立ちますよ~( ^ω^ )b。


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