3Dプリンターについて

先だって3Dプリンターのワークショップへお邪魔してきました。
我々の業界にとっても今後必要な分野になる可能性が高い技術。
以前から注目していたのですが、金属成形には色々と問題が多く「まだ早いかな?」と言う思いもあって放置していました。
ですが今回Face Bookのイベント記事を見て参加してきました。

結論から言うと金属加工、それも工業系の精密加工分野においてはまだまだ問題が山積している状態だと思いました。
今の技術だとロストワックスの未加工品が出来上がるイメージでしょうか。

様々な造形方法があるそうですが、かならず熱がかかると言う点は同じでした。
精密加工の分野においては大きな問題です。
寸法狂うし、素材自体の変質があったり。
例えばオーステナイト系のステンレスの場合は?造形した物をさらに再固溶化する?高温にさらした後では極粗級くらいの精度の製品しか出来ないと思う。

次に時間。
拝聴した感じだとタービン等の複雑形状じゃ無い場合、圧倒的に既存の方法の方が早いですね。
材料の確かさ、完成された製造方法を補完する進化し続ける加工技術。

それと上記に付随する事ですが、量産性の悪さ。
数を稼ぐとなると、単純に機械の台数を増やす必要があると言う点。
一台辺りの時間単価はザックリ10,000~15,000円程度になるかな?と思えました。
現状の製品の出来がロストワックスの未加工品程度の品質と言う事は精密工業製品としては3D造形だけでは難しいでしょう。

と悪い事ばかり書きましたが、可能性の高さは間違いないでしょう。
耐久性は解りませんが、型の造形とかは間違いなく優秀だと思えます。実際、型会社さんは導入していますよね。
我々の業界で言うと既存方法vs3D造形と言う図式で考えるのではなく両方の良い所を合わせる加工方法が考えられますね。
以前Face Bookの方でも書きましたが、既存の加工方法は煮詰まっていると思えます。
現状の加工機の方向は「ソフトの精度を上げる」「加工の種類を増やして一台で完結させる」...
要するに根っこの方法から離れてないんです。
ここを大きく変える可能性があるのは間違いないと思えます。

そうなると試作加工が多く、異形加工が得意な会社が導入すると強くなりそうです。
大きな問題の材料品質。ここをどうクリアすれば良いのか?
メーカーは設計変更を嫌がる傾向が強いので、彼等を納得させるには最低でも数字で示す必要があるので耐久試験を業務にしている会社も良いかもしれませんね。
現状海外では多くの採用事例があるとの事なので、それらの会社と繋がりを持つと言うのも有効でしょう。
対外交渉能力。
ん~こう羅列すると大手商社の分野なのかなぁ。

いずれにしてもリスクの無い挑戦はありませんね。
もう少し勉強して近い内に動きたいと思いました。


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