契約書

ここ最近問い合わせが増えております。ありがとうございます。
挨拶程度から次の打ち合わせの段階へ進む会社さんもあって、毎日忙しく過ごさせてもらっています。

最近は「取引契約書を交わす必要がある」と言うお客様が目に見えて増えました。
昨今の訴訟問題や下請法の縛り等が大手と言われる企業の問題になっていると言うのは良く解りますし、リスクは可能な限り回避したい心情も理解出来ます。
ですが、「ライン止めたら全ての損害は受注した側の責任」等と書かれるとホイホイ承諾出来ないです。(10人程度の零細ですよ?)
勿論きちんとした品物を収める事は大前提ですが、ここまで言われるとダブル、トリプルとチェックを入れて、最新の検査機で検査する必要が出てきます。
これで価格合わせてくれ(コスト下げろ)と言われると流石に厳しい。

打ち合わせまで進むお客様とは、図面をお持ち頂く→加工可能→価格も双方OKと言う所までは進むんです。この後に「取引となると契約書を交わす必要があります」と言う風になります。
お持ちいただいた契約書に目を通すと、まず間違いなくこちらに不利な条件が(沢山)入っています。それに対してこちらの主張を入れて送り返す訳ですが、この時点で交渉に応じてくれる会社は1割程度でしょうか。ほとんどは「100%応じられないのであれば、取引できない」と言う答えが返ってきます。
まぁ毎度の流れと言えば毎度の流れな訳です。最近も2社、破談してしまいました。

別件ですが、私自身数度弁護士を入れて争った経験があるので契約書となるとどうしてもナーバスになってしまいます。
だけど、このままでは埒が明かない。新規取引先を開拓出来ない。と言う事で弁護士に相談に行きました。この先生とは約二年に渡って裁判を戦い抜き、最終的に良い結果を勝ち得た言わば戦友とも言える方で、最近独立なされたので挨拶も兼ねて伺いました。

その先生曰く「まぁ普通ですね」との事。ただし、「一方的に契約を結ぶのはリスクが高い。やはり精査して不利な部分は交渉すべきです。」というお答えでした。
「ほとんどは交渉に応じてくれませんよ?」と言うと「交渉に応じてくれない会社との取引は基本的に避けた方が無難です。」との事でした。理由は?
「最初の段階ですら交渉に応じてくれないとなると、有事の時にも応じてくれない可能性が高いと思われる為。」との事。う~ん確かに。
「ただし、やるやらないは経営判断になるので、時にはリスクを取って取引する事が必要な場面もあると思います。」との事でした。これまた、う~ん確かに。
大きな会社は様々なリスクを考えているので交渉には応じてくれやすいし、そこまで無茶な事は言ってこない傾向があるとも仰ってました。
お話を伺って、こちらの交渉の姿勢も大事だなぁと改めて思いました。
どうも私は、バーン!と突きつけられた物に対して、ドカーン!!と返しちゃうんです。「人間力」大事ですね。反省です。(;^ω^)

結局は図面通りに作っていれば何も問題無いと言う事でしたが、その図面通りと言うのを誰が証明するのか?と言うのは難しい点ですよね。
うちは測定器と基準を毎年校正していて、トレーサビリティも取ってあります。そして当然ながら「きちんと作ってます」
ですが、いざとなった時の対策については深く練っていませんでした。これは課題の一つだなと思いましたが、心構えと対応策についてのヒントは得られました。ありがとうございました。

それにしても何故こんな面倒な事になったのでしょうか?
我々の側にも責任はあると思います。要するに「出来る」と言って「出来ない」事があった。だから書面でちゃんと約束をする必要がある。お客様にこの様な防衛策を取らせてしまってると言う事。見積もりや受注段階で「出来る」と言ったら責任持って仕事を行うべき(当たり前)。これを破る会社が少なからず存在する訳ですよね。
納期待ったなしの状態でこれをやられたら堪らんなぁとは思いますし、一発でも喰らったら私も「契約書にサインくれ」って言いたくなるでしょうね。
厳しい様なら最低でも納期直近に報告するのでは無く、余裕を持って相談すべき。報連相は取引間でも重要ですよね。

資本金3億以下の会社とは取引しない(下請法対策ですね)と言う某大手も存在する「製造業と言う世界」。
小さいながらもこの世界に身を置いている訳ですが、その世界の中で取引契約書を交わす必要性が増してきたと言うことは、会社として一段成長した証でもあるのかな?と感慨深く思ったのと同時に、これって部品と製品の間の話しであって、最終的なお客様の利益に繋がっているのかな?とも思えました。


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