バイトを砥ぐ事

2月に入ってもう中盤。
チラホラ花粉の飛散も始まっている様ですね。
私も花粉症持ちなので、暗い気分になりますね。

暗いと言えば景気減速している業種もある様で、一部では全然仕事が無くなったなんて言う事も聞こえて来ています。うちらの業界だと半導体関連と車関係でしょうか?
非鉄金属の分野もここの所あまり良く無いと聞いています。
前期がかなり良かったので大丈夫と言う風に続きますが、この先も不透明で怖い所ですよね。
弊社はお客様のお力で何とかやらせていただいておりますが、今後も選ばれる為には努力と挑戦は不可欠だと思います。

うちの特徴としては「難しい加工、面倒な加工」を行うと言う事を武器にしています。
お蔭様で8年目に入って認知度も上がって来ていて継続した仕事に繋がる問い合わせも少しづつ増えて来ていますが、どのお客様も一筋縄では行かない様な図面を持って来られます。

その図面にも様々な特徴がありますが大きく分けて二つ。
まず「物凄く交差が厳しい」。もう一つは「形状の問題」。
交差が厳しい物も形状に難のある物も大抵の場合、治具が必要になるので必然的に価格は上がって来ます。ですがそれでも「やって欲しい」と言う風になるケースが多いです。

最近多いなと思うのは「角ネジ」。これ難しい(面倒)ですよね。台形ネジは規格があるので今の機械だとそんなに難しく無い部類になってきました。
ですが角ネジは基本的に現合。汎用機仕事で数少ない「十分に取れる」仕事だと思います。

上手くNC機に転用出来る様に色々試してみましたが、今の機械は低速でトルクが出ない>ハイスが使い難い>角ネジは厳しい。と言う結論に至ってます。
裏ワザと言うか何と言うかLB15は低速で力が出るのでハイス流用の仕事には適してます。
私の学生時代の同期にハイスを切削する仕事をしている仲間が居ますが、やはりLB15を使ってるそうです。「今の機械は力がでねぇんだよ~」とか言ってて同じ事言ってるわと可笑しくなりました。
機械自体30年経過していると言うのと、加工領域に対して場所を取ると言うのが難点ですが比較的単純な構造でメンテも容易(電気系は...)なのでベットにガタが来ない様に使ってあげればず~っと戦力になり続ける名機ですよね。
これに今の制御を乗せたいですが、難しいのかなぁ。

後はバイトを継続的に用意出来る環境を整える事が大事なのかもしれません。

ハイスバイトや写真の様なヘールを使っている人達は解ってくれると思いますが、一日中グラインダーの前で砥いでいたとか油砥当ててる時に「砥いでるのか殺してるのか解らねぇよ」とか言われたり(;´Д`)
大体ペーペーの時に同じ様な経験していると思います。
ですが今の御時世、作業着を粉だらけにして刃物砥ぐなんて事してくれる人居ますかね?
またそこにお金を入れられる会社があるでしょうか?
うちも汎用機を修行?に使わせますが、バイトを砥ぐのは殆どさせてません。面取りの為にロウ付超硬の41,42を砥ぐ位です。
ですがこれだけ需要が増えて来ると逆に教えても良いのかもしれません。
ヘールなんてシェーパーみたいに使えたりして結構面白いですしね。

だけどなぁ。上手く砥げるようになるのって、汎用機にかかりきりでも3年位かかりません?
汎用機だとNCと比べるとどうしても稼げない。
なので給料分稼いでもらうとなるとNCと並行して行わないといけない。となると5年以上かかりそうです。
それでも途中で辞められちゃうと...そのリスクを考えると中々難しいですよね...

今汎用機で仕事をされてる会社のほとんどはご高齢の方が一人もしくは少人数でやられてる会社が多く、また安くやられてるんですよね。ハッキリ言って「もっと取って下さい」と言いたいです。
お客様もその辺の事を理解しないで「安く使える」程度にしか考えて無いから、その会社が終わった時に如何し様も無くなる。うちにもそんな図面が回って来ますが、恐ろしく安いです。
もう今からでも良いから時間10,000円位とって欲しいです。
出来る人が居なくて需要があるんだから。今後の技術者を育てると言う意味でも考えて欲しいです。
恐らく我々の年代(40~50)が手砥ぎバイトを使用している最後の世代なのだと思います。
次の世代に繋げる為にもそう言った仕事に挑戦して絶やさない様にしたいと思っていますが中々難しいですね...
そうなると製品自体がその技術を必要としない物になっていくんでしょうね。
そしてあえて欲しいと言う人向けの技術になってくる。
正しく刀鍛冶ですね。
それもまた良しかな?イヤイヤイヤ。


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