段取り8割。我々の業界だけじゃなく、他の業種でも当て嵌まる言葉かと思います。
物事を進めるにあたって、段取りがどれだけ大事か?と言う意味もあるでしょう。
難しい仕事を進めるに際しての工程、交渉を進める為の根回し...この辺も段取りですよね。
初歩的な所では、数を数えたり、製品を洗浄したり等の一見誰でも出来そうな仕事も段取りの良し悪しで正確さ、スピードが全然違ってきます。
誰でも出来る仕事(大した仕事では無い)ですが、重要な仕事でもあります。
出来る事が少い内はこの様な仕事が多い訳ですが、人が居なければベテランもやる必要のある仕事です。
この時の動き(段取り具合)が大事と言うか、センスが出る所でもあります。
まず数え方。
うちは100個程度の仕事もそこそこあります。
この時、正確に数を把握しない状態で始めると...
「実は99個しか無かった!!ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」なんて事があったりします。
途中で気付けば良いですが、終わったと思って段取りを崩し次の段取りに変わって、次の仕事が流れ出してから気付く...
最悪ですね。基本的に納期順に行う訳なので、どうしても100個揃える必要があります。
1個作る為に今の段取りを崩して、前(100個)の仕事の段取りをして、1個終わったら元の段取りに戻す...下手すると半日~1日潰す事に成りかねません。段取りを行う側からしたら、とても考えたくありませんね(;´Д`)
数の把握は凄く重要です。
ただ、仕事の内容としては単純な「作業」なので、ここに頭のリソースを持って行かれたく無い。ではどうするか?
先ずは並べ方。
1段5×10で50個、これが6段。これならすぐに300個と判断出来ます。
上手くキレイに並べれば、数の把握も楽だし、見た目も良いですよね。正しく良い段取り。
それじゃ、ちょっとレベルを上げて
中央のパイプの山、何本あります?下段が6本で6段積み。計算すると1+2+3+4+5+6になります。天辺が1本になるまで積み上がった山。これ公式があるのご存知ですか?
1/2×n×(n+1) 「n」は一番下の数です。
6/2(6+1)=6×7/2=21本となる訳です。一番下の段が少いからまだ良いですが
こんな風になってくると?(‘A`)ヴァー
1本ずつ数えてたら時間かかって仕方ないです。ただ1本づつ数える人って実は凄く多い!ホント多い(;´Д`)
パっと解る様にキレイに積む事も大事ですね。
ちなみにこれは、最上段は余りとして6本+(下段の数20+上段の数9)×段数12÷2で174本=180本となります。
この辺は数学(算数?)の話しになるので、「知ってる知ってない」が重要になりますが、数量を効率的に把握すると言う命題を詰めて行くと通る道なので、自ずと知る事になると思います。
忘れてたら一度見直すと良いかと。
次に洗浄。
黒○内の品物を洗い油で洗浄します。洗い油は赤○内にチラっと写ってる青い箱です。
このまま進めると、黒○の位置から赤○の位置までいちいち運んで洗浄する事になります。これはナンセンスですよね。
品物の数量がそこそこ多いので、洗い油の方を品物の近くまで持ってきて洗浄するのが第一。
次に洗った物を何処に置くか?これもセンスの別れる所です。
この後は焼き嵌めの工程です。焼き嵌め場所まで運ぶ必要があります。(うちの工場は細長いんです^^;;)
これまた1~2個づつ運ぶのはナンセンス。台車に置いていけば手間が省けますよね。ここまでで段取りですね。
自分はほぼ動かずに洗う、洗った物を置く、次の工程場所まで運ぶ。スムーズに流れます。
この考え方は洗浄に限りません。仕事は出来るだけ手の届く範囲で行うのが基本です。
マシニングで穴を開けた品物の裏側をボール盤で面取りして完了。結構ありそうな仕事ですよね。
ボール盤の近くに洗い油と梱包資材等を置いとけば、マシニング終了とほぼ同時に納品前までの準備が完了します。
これ、ナンセンスな人は面取ってそのまま置いていたりします...別工程で洗浄と梱包の必要あり(;´Д`)
特にNC機の場合、1個の加工時間はベテランだろうが初心者だろうが同じです。
いかに加工時間中に動けるか?って所に大きく差が出たりします。(まぁ最初からは難しいけど)
段取りする人、動く人で共通の意識を持つ事も大事ですね。
動く人もいずれ段取る側になりたいと思うなら、この動く時期(ボタン押し、脱着くんの時期)に流れを掴んで次に生かす意識を持つ事が大事です。イキナリ出来る訳じゃ無く、少しづつの積み重ねの結果いつの間にか出来る様になる。
少しでも意識して、次のステップに進める人が多くなれば良いなぁと思います。
我々もその様な人を生み出せるように考え続けなきゃいけませんね。