11月に入りましたね。
今年もいよいよラスト2か月になりました。
10月の頭から外国人を起用してみました。(ベトナム人)
結果、10月末に退社という事になりました。
今回感じた事は「やっぱり日本語の能力は大事」と言う事です。
我々の様な多品種小ロット、試作メインの会社の場合、日本語能力は特に重要だという事を痛感しました。
今回は初めての事だったので、ベトナム人紹介会社に入ってもらいました。
起用した方は日本語能力N3。事前に見せてもらった履歴書は、かなりしっかりした文章が書いてあったので、これはN3と言ってもN2に近いと思いました。ですが入社してすぐに殆ど通じて無いと言う事に気づきました。
やはり言葉の壁は厚いですね。
弊社の通例として汎用機から教えました。これまた通例の先生(外国人を教えた経験もある)にも来てもらって教えましたが、やはり殆ど通じなかったとの事でした。
私も頑張って教えましたが、何とも...。
多少通じればそれなりに動く事が出来るので、やはり日本語力は大事だと思います。
例えば汎用旋盤に付いてる「ハンドル」これを説明するのも日本人と外国人だと全然違います。
日本人の場合「ハンドル」と言うと丸くて回す物と言う先入観と言うか潜在意識がありますよね。なので「ハンドル」を回すと言うだけで大体伝わるんですが、これが伝わらない。
そしてこれまた大事な目盛り。
例えば一周10ミリの目盛りが切ってあったら、1.0~2.0で1ミリ動く事になります。
そして1.0~2.0の間にも目盛りが振ってあって、10等分の内、1等分動かせば0.1ミリと言う事になります。これまた説明が難しい。
ここが難しいとなると旋盤加工は難しいと言う事になります。
(それでも何とか教え込んで、多少は動かせる様になりました)
ではNC作業は?と言うと、うちの場合、作業と言っても日々変わります。
一度段取りしたら1週間以上同じという類の仕事はありません。
なので日々違う説明をする事になるのですが、これがまた難しい。
伝わらないので、任せる事が出来ない。逆に伝われば任せる事も出来るのですが、細かい所で抜けている。品物を雑に取り扱う事で出来るスリ傷や機械のセットの仕方等、細かい注意点を意識付けるには一度失敗しないとダメ。
(まぁこれは日本人でも同じ事なので、仕方無い所ではあります。)
本人も続ける意思があったので、こちらも根気強く教えましたが最終的に退社と言う事になりました。
奇しくも仲間の会社も外国人を採用して上手く行かなかったと聞きました。
こちらはある程度の経験者という事だったそうですが、全く出来なかったそうです。
(仲間の会社はレベルが高いので、「出来ない」レベルがどの程度なのか解りませんが)
同じ様な時期に雇って同じ様な時期に退社という運びになりました。(´ε`;)ウーン…難しい。
前述した仲間が「作業の様な仕事を用意しないとダメなのかもしれない」と言っていました。
なるほど、ちょっと考えちゃいますね。
現状では、日本語の能力が低くてもある程度生産に寄与出来る量産系の仕事、とりあえず頭数を揃えて行う作業的な仕事。CAD等、言葉が通じなくてもソフト上の操作で認識を共有出来る様な仕事に外国人人材は向いているのかもしれません。
日本語能力の差が仕事にも差となって出るのかもしれません。日本語が解ってベトナム語も解るとなると間に入って仕事も出来る。このポジションは大きな意味がありますよね。
そして細かいニュアンスが伝われば、繊細な作業も理解して進める事が出来るし、他の従業員ともコミュニケーションが取れる。
外国人労働者の中でも二極化が進んでいるのかもしれない。
(実際日本語能力の高い外国人の給与は高いと聞きます。ですが、それでは他の従業員との差をどう付けるのか?)
今回得られた事(我々の業界)は外国人を雇うのであれば日本語の能力を良く吟味する事。
片言程度の状況でも荒加工程度の汎用機操作(取り代2ミリ位)は出来るという事。
汎用機が使えると言う事はNCも出来ると言う事になるので、いかに加工の方に寄せてもらうか?そして続けてもらうか?この辺が重要ですね。
日本人でも外国人でも結局は出来る(図面を見て材料から完品にする)様になるまでに簡単な品物で2~3年。そこそこ付加価値のある仕事で5年はかかります。この時間を外国人がどう思うか?
(日本人でも難しいのに)
となるとやっぱり、日本人だろうが外国人だろうが人次第と言う事か...
結局最後はこの結論に来てしまいますね(苦笑)