前回の加工ともう一つ、時間のかかっていた加工が完了しました。
今回はマシニング加工。
以前試作モデルの製作に協力させてもらった東京工業大学の人工衛星(Origamiプロジェクト)、JAXAの審査に合格したとの事で実際に宇宙に出るフライトモデルの製作も協力させてもらう事になり先月末辺りから進めていました。
今回は数点のパネル製作を担当する事になりました。
アルミを削り込んで薄さ2㎜程にします。
削り込んで形造る所謂「島残し」ですが、島の配置が中々いやらしい位置で
細い工具の使用が必須。
うちは基本的に鉄系、SUS系が多いのでマシニングは高速加工に対応してません。
倍速工具使って20,000rpm以上でるともう少し良い感じになるんですが、切削液が油性なので高速加工はやっぱり難しい。
まぁ流しっ放しで何とかしました。
試作モデルには無い寸法の縛りがあって、幅、厚みが±0.02。
交差域としてはそれほど難しい話しでは無いですが薄さが問題ですよね。
何も考えずに把握するとこんな風に反りが出たりして不良になります。
両端に比べ、中央が薄くなっているのが解ると思います。
両端方向から挟み込んだ為、削る前は良いのですが薄くなるにつれてアーチ橋の様な真ん中が出っ張る状態になり、その状態で切削したのでこの様な形になってしまったと言う一例です。
こうならない様にするには写真の下面をピターっと治具に付けて削ってあげる方法が一般的だと思います。
付ける方法は色々ありますが、今回は寸法公差が±0.02なので真空で攻めました。
単純にくっ付けると言っても材料、治具双方の平面度が出て無いと機上では寸法公差に納まってるのに機械から外すと歪んでしまうと言う状態になってしまいます。
±0.02だと平面度で0.01程度にはしておきたいですよね。
掘り込みでの反りが出るかな?と思いましたが意外とすんなりいきました。
薄く速くですね。
単純にCADCAMでポンっと出来る訳でも無いんです。
これって3Dプリンターやスキャナーにも言える事ですよね。
お手軽機械、プログラムと思いますが使いこなして商用ベースの時間でこなすには、やっぱり専用の人が欲しい所です。
既存の仕事をこなせる人が居れば私がやるんですけどね。
ゲーム好きでのめり込み性の私には、この手の仕事は結構面白いので(笑)
うちの会社の目的の一つでもある産学連携。
実際に宇宙に出るとなると、やってて良かったと言う気になりますね。
東京工業大学の学生さんがこの経験を生かして日本のもの作りの中核になって行ってもらえれば、より意味がありますね。
頑張って欲しいです。