旋盤加工、深みの入り口

弊社の特長の一つ、シャフトスリーブ加工です。
シャフトスリーブについてはうちのホームページをご覧ください。
ちょうど続いているので書いてみました。


写真はSUS304母材にステライトno,12。
ステライト、一癖ある加工ですがビードを落としちゃえば意外と削れます。
外径φ155の内径φ140、ちょっと薄いですね。考え無しで行くとイビツが酷い事になります。
後はピンホールに注意ですね。
こればかりは上手いステライト屋さんにお願いするしかありません。
今回は問題無さそうです。ありがとうございました。

次は砲金スリーブ

これはまぁ基本的な所を押さえていればOK。

これはアルミ青銅。何だか光物が多いな。

相手にヤキバメされるとの事で内外径同軸度が0.01
内径は締りによる寸法変化を考慮しているのか内径φ80F7交差でした。
銅系の中では多少硬い感じですが、まぁ大した事は無いです。
このスリーブの特徴的な所は内径にR3のRネジを加工する事でしょうか。ネジ幅200にピッチ60
油の通り道として機能する所謂、油溝です。

全て一見ただのパイプ形状ですが、スリーブ製作には薄肉加工、内外径の同軸度、内外径に対する両端直角度、シールが当たる箇所の面粗度等々、きちんと寸法通りに旋盤加工するには様々な要素をクリアする必要があります。
これを見積もり時間以内に図面の要求通り加工出来る様になれば
一人前の旋盤士と言えるでしょう。
そしてここからが本番です。

旋盤加工と一口に言っても大きさの違い、長さの違いで勘所が違います。
それほど長くなければチャックワーク、長尺物をローリングセンター等を用いて加工するセンターワーク、大きい物を加工する立旋盤や正面盤、小さい物を加工する自動盤等々。
「シャフトは外径だけで楽勝!」なんて思ってると偏心が酷くて使い物にならなかったり、「振れてるなら削れば良いじゃん」なんてノリで長尺のパイプを削ってみたら、削れば削るほど偏肉しちゃったり、径が大きく薄いフランジは削ったそばから面振れしたり...
これらを回避する為に色々な手法を取るのですが、これが本当に色々あって深い。
まだまだ先は長いです。


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