最近3DCADが必要な見積りがいくつか来て、そろそろ本格導入考えてましたが
仲間と話してた時に精度物やってる会社はあまり「飛び道具」的な事はしないよね、と言う話しになりました。
(「飛び道具」っていうのは新しい機械やソフトの事だけじゃなく、新しい物を使う発想とかも入る。)
確かに言われてみれば、「いや~これをやるの?」と思っちゃう品物を加工している会社さんて、ビシビシに精度が出る汎用機(簡易NC)で昔ながらの手法でやってる会社さん多い印象です。
昔ながらと言っても図面要求の精度を出すには、それが最適解な訳だから「昔ながら」と言うのは言葉のチョイスがイマイチか。
精度を出すのに必要な事って既にある技術をどれだけ使うか?と言うのが大事。
現状では、新しい道具は多少の効率化をしてくれますが、置き換えてはくれません。
例えば、芯出しと言ってもその芯を出す為の加工って凄く重要です。
センター加工を一回にするか二回にするか?
サボって荒加工時の仮のセンターで加工を続けても真円や同軸が決まらない。
時短と言ってパス数を減らせば仕上げ時に負荷が均一にならずに真円度が崩れるし、刃物が良いからと言って無闇に周速を上げれば遠心力で歪んだ状態を削る事になり真円度が崩れる。
これって道具がどうこうの問題じゃ無い。
こちらのロール製品も一見溝の多さに目が行きますね。
溝はNCで形をを作って行く訳ですが、ロール物で大事なのは全体の振れ。
(これは外径の全振れ10μ、両端の内径と外径の同軸は10μ以下に収まってます)
この振れ精度はNCで上手にプログラム組めばOKって訳にはいかないし、新しい道具が出た所で結局は昔から決まっている加工順序を守って、きっちり確認しつつ一工程ずつ行うしか無い訳です。
公差域が広くてOKだったり、偶然が重なって奇跡的に出来たりする事もありますが、それでも幾何公差が厳しい場合や、寸法交差が「IT6」より上になってくるとそうは行きません。
そしてこの領域は、常に「更に良いものを!」って思ってないと細かい改善の余地に気付けない領域でもあります。
一長一短では出来ず、毎日の積み重ねの上に成り立つ。
細かい事ですが、整理整頓等の所謂5Sは「物をきちんと片付ける」「機械まわりを抜かり無くキレイにする」等、維持するには色々と気をつける必要があります。
これを状態化出来れば、少しの違和感(ちょっとの汚れや、道具の有無)に気づく事が出来る様になります。これって前述の細かい改善の余地に気づく事につながります。
そしてこの非常に地味で地道な積み重ねを継続する事こそ技術な訳です。
とは言え、常時アンテナを張って情報収集することは必須です。
前述の高精度品も数が多い(量産)場合は、工程を細かく別けてそれぞれにNC機を設置すれば機械化する事が可能です。
と言う事は機械(自動)化は出来るんですよね。
後は採算ベースに持ってこれれば、小ロットの世界でも可能になります。
この辺の情報や世間の流れをいち早く掴む事は大事だし、その可能性を探り続ける事も必要だと考えています。
うちの掲げる「新しい物と従来の技術の融合」って訳です。
常に進化を見据えて技術をアップデートする事が大事ですね。
まぁ、アップデートとか言っても従来の技術を習得してないと話しにならない訳ですが...
と言う訳で、今日も地道に積んで行きましょう。