SUS304の高難度加工

梅雨時期らしいジメっとした感じが続きますね。
一方でとても暑くなったり...今日は大雨、明日は30度以上の予想(;´Д`)
そんな天気にも驚かなくなってきました。人とはつくづく経験し順応する生き物ですね。

さて懸案だった難加工、私の加工経験の中でもトップ5に入る位の難易度で非常に腰が重かったw。
従業員のお陰で休める様になって鈍った体に鞭打って休み返上で取り掛かり完了させました。
SUS304 外径φ89、φ65 内径φ63、φ56 丈は55で寸法公差は±0.01程度、幾何公差は0.01~0.02の製品です。

見て解る通り、肉薄(-_-;)
流石に肉厚1mmで内径交差±0.01は無理あるよ...ちょっと手で触っただけで寸法変わるじゃん、これ。
おまけに幅10深さ10の溝が12個所、M2.5、φ3リーマー、幅3溝(H7公差)、そこにφ2の交差穴等、まぁ良く詰め込んだなぁと言う仕様。
径がφ100以下なので曲がりに対しての耐性は期待出来るけど、チャッキングして加工するのは不可能で1工程目から工夫が要求される難度の高い仕事でした。
加工前の打ち合わせで色々懸念をお伝えし、「まぁ良いよ」とご許可をいただいたので、強プレッシャーと言う程でも無く取り組めました(ありがとうございます)。

外径-0.05~0

内径+0.010~+0.030

内径+0.010~+0.030
ほぼ図面通りに仕上がり。
(真円度0.01の場合、表示径がφ100.010だったらφ100.005~φ100.015と言う感じです)
内径真円度はそこそこ出てますね。外径が0.02弱と少々悪くなってしまいました。反省点。

今回径が小さかったのと治具の効果を確かめたかったので再固溶化処理しなかったんですが、やはり行った方が良かった。生材は再現性に疑問残るしね。
後は治具の寸法、形状をもう少し詰めて、工具の経路を変えてあげればもう少し違う結果になっていたかと思われます。
ただ概ね満足のいく出来になりました。想像出来る事は大体形になりますね。

初めて試みた方法で加工しましたが上手く作用して会社(自分)の糧に出来たのが報酬以上の収穫でした。
難加工はこの「ノウハウの積み上げ」があるので、行う価値があると思っています。
(今行っている加工に生かせる所もポイント高い。)

そしてやはりお客様が誠意を示してくれた事が大きかったです。
めちゃ大きい誰でも知ってる会社さんでしたが弊社まで足を運んでいただき、いつも問題になる(;´∀`)契約書も大幅に譲歩いただけました。
加工における留意点を丁寧に聞いていただき、ご対応いただけました。
この手の加工はお互い歩み寄って協力しないと実現不可能ですよね。本当にありがとうございました。

今後も加工範囲内であれば、可能な限り挑戦しますのでよろしくお願い致します。


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