7月入って既に3週目。
今年の梅雨は梅雨らしい梅雨ですね。
関東はまだ良いですが、九州方面の方はコロナにこの災害と大変な事と思います。
被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに
復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
われわれの業界の景気もどんよりしてきました。
難しい仕事や単品の仕事はあまり変化ありませんが、リピートの仕事は鈍くなってきています。
逆に言うと、単品試作の分野は強いです。
数で補えない分を付加価値で賄う為の技術力は勿論の事ですが、様々な業種の試作を手掛けると言う事は顧客の分散にも繋がる。この辺も不況に強い大きな要因の一つだと思います。
かと言って誰でも出来る訳では無い。これが大きな問題です。
うちも少数の仕事や試作品等も誰でも出来る様にシステム化を進めてますいが、やっぱり難しいです。シビアな製品は特に違いが出る。
少数でもリピート品の場合、段取りは完成されてる。
だから一見誰でも出来そうだと思うけど...
NC旋盤加工において±0.01位はプログラムの組み方次第で経験の浅い人でも意外と精度出る(注:予備品は必要)けど薄かったり長かったり等の所謂「極形状」で交差、幾何公差が厳しい場合はやっぱり難しい。
材質S45C Φ150の肉厚4mm、厚さ50程度。寸法公差はh7程度で外径基準で内外径同軸、直角、真円度が0.01。
単純なリング形状だけど交差が上記の様に厳しい場合、荒加工でチップの損傷等を起こしていると仕上げ時に歪の具合が大きくなってしまう。
これ、切粉の具合や音等、加工中の雰囲気を敏感に感じ取れないと難しい。
ここが肝!という工程で集中しないと後々酷い事になるから集中していないとダメ、逆にこの工程はそこそこ抜いても大丈夫って言う勘所が掴めているか?って言うのも大きい。これは実際に失敗しないと解らないし、失敗したとしてもそれを糧に出来なければ結局同じ事の繰り返しになってしまう。
途中で応力除去を入れれば良いのかもしれないけど、意味が解って無いと無駄になる可能性もある。
doc01895620200710073704
これは上記のNG品。真円度測定器で見るとハッキリ解りますね。
約0.03の歪。
治具を使ってるから楕円に歪が出てますね。
対して
doc01895520200710073629
こちらは「肝!」の工程で注力した製品。
ちょっとイガイガになってます(ゴミ拾ってるのかな?)が、それでも0.01以内に収まってます。
(コスト面等を考慮するとこれ以上はムズイ(;´Д`))
以前、応力除去入れなくても意外とイケたので、今回も応力除去は無しで攻めてみました。
ですが、やっぱり途中で応力除去入れるべきですね。
品物は大丈夫でしたが、余計な手間を掛ける事になりました。
数が増えれば当然システム化を検討すべきだと思いますが、このクラスの製品は「量産するから安く」と言うのが難しい。となると、製品設計もそれに沿った物にする必要があるかもしれません。
来月以降は更に厳しくなりそうな雰囲気も出てますし、逆に中国が動きはじめているので車関連が動き始めるかも?と言う声も聞きます。
いずれにしても、コロナの出口が見えて来ないと動きが鈍くなってしまいますが、梅雨空の様な暗い顔してても良くなる訳じゃ無いですからね。
明るく一つ一つやれる事をやって行きましょう( ^ω^ )。