暗中模索

やっと梅雨明け。
まぁ極端に熱くなっちゃいましたが、何にしてもお日様が出てくるとポジティブな気分になりますよね。

8月から新しい期になり以前からの構想を実行に移しました。
シャツINの問題は私が折れた事をちょろっと書きましたが、それに合わせて作業着もデニムに変える事にしました。ひと先ず夏場のTシャツは今まで通りなので一新とは言えませんが、うちの業界の中ではかなり珍しい作業着かなと思います。
実は創業した時にデニムの作業着は構想にあったんですが、ちょっと走り過ぎ?と思ったのと当時は「良い」と思えるデザインが無かったので見送った経緯がありました。
人が増えたのと女性が多いので一層明るい感じがしますね。
これは中々良かったかな?

夏休みに入って、来年度の新卒採用も道筋が見えてきました。
もう少し人数が欲しい所ですが...

業界的に仕事は一段落してる雰囲気です。
うちは忙しくやらせてもらってますが、あまり楽観的になれませんよね。今の仕事をこなしつつ、次に繋がる仕事も行う。こう書くと、やる事やってる事はいつも通り(;^ω^)。
忙しい時が新規開拓のチャンスなのでしょうが、現在の仕事で手一杯で難しい。
何が必要かと言えば、やはり人なんですよね。もう少し突っ込んで言うと出来る人。
まぁ出来る人が転職市場に出てくる事は稀だと思うので、現在の所私の中ではヤル気のある人を育成するのが近道と言う結論に至っています。

だけど、その「人」が居ない。もう毎度の事でうんざりしてきますが、うちも遅まきながら外国人の人材を真剣に検討する時期に入って来たのかもしれません。
中小零細企業では日本人を切り捨てて、外国人を残す策を実行している会社が出てきているそうです。仲間の一人は「目の輝きが全然違うよ」と言ってました。
それほど?ん~む...
仕事が複雑で細かいニュアンスが伝わらないと難しいのでは?と言う考えがあったので、外国人の採用はあまり考えていませんでしたが、ここまで言われるとちょっと見て見たくなりました。

と言う事で早速関係者にお越しいただき、打ち合わせ。
当然コストがかかりますよね。人を採用したいなら、最低でも採用したい人のランクに応じた月給分は採用活動費に充てる必要があると某採用媒体の担当者が言ってました。事前に見せていただいたコストは「...」となってしまう位の価格でしたが、果たしてどうなるかな。

業者を紹介してくれた仲間からは「まさか社長が動くとは思わなかったよ」と言われました。
だってねぇ、この人材不足感はもう如何ともし難いですよ。

ただ、ちょっと考えてしまう事もあります。
我々の様な量産系の会社では無い会社にも徐々に外国人の人材が増えているこの現状。そして仲間の会社には及びませんが、うちも「技術」を売りにしている会社。その界隈まで外国人人材の波が来てる訳です。

一人前になるまでの10年と言う時間。加えて製造業の「キツそう」と言うイメージ。これが相まってか、優秀な人材が我々の業界に目を向けてくれる事は非常に少ないです。
若い人材で「この仕事を一生の仕事にする」という気概の人材は殆どおらず、「とりあえず入社出来て、言われた事をこなして、それなりに貰えれば良い」と言う人材ばかり。当然会社の力は徐々に落ちていきます。(若い方は、どこかでスイッチが入るかもしれませんが)

常々書いている通り、試作、少量の分野は我々の様な零細企業が支えているのが現状で現実です。そして巷では、その試作や少数の高スペック品も日本が世界に誇るべき技術の高さと言う事になってます。
ちょっと前に町の居酒屋でオバ様、オジ様のグループが「日本の製造業は世界でもトップクラスだよ!」みたいな事を声高に話されていました。
正直言って「何もわかってないなぁ」と思わずにいられませんでした。そこの席に行って小一時間位話したかったです、「日本の(日本人による)製造業は詰んでる」と。
だって担い手が居ないんだもん。(これ書いたかな?(^_^;))

その日本人が居ないスペースを外国人が埋め尽くす動きが加速しています。(他の業界では当然の様になってきてますが)「日本の製造業」をちょっとだけでも背負ってる者として、「日本人による日本の製造業を何とかしたい!」と思ってやってきましたが、どうやらこのままでは難しい。我々も生きて行く為に彼らの力を借りざるを得ない状況になってきました。

世界に冠たる日本の製造業。冠たるですよ?それって世界の中でもトップクラスと言う事ですよね?と言う事は並では難しいって事ですよね。いや特別に才能がある無しの話しでは無いです。自主的に問題を見つけ、解決策を模索し、解決して前に進んでいこうと言う考えを持って行動している人材と言う事です。この考えが出来る人材が我々の業界には本当に少ない。
ではその様に考えられる彼等はどこに行ってるんでしょうか?AIの分野?芸能?スポーツ?ん~...(AIに至っては某携帯会社の社長が「日本はAI後進国」と声高に言ってましたね。)

全ての外国人がそれに値する人材か?と言えば何とも言えませんが、少なくとも彼らは言葉も不自由な日本に来て「成功してやる」と言う野心を持って、それを行動に起こした人材です。
それがどれ程の事か?これは容易に想像出来る事ですよね。
死んだ様な目をして現場で働く日本人と比べてどうなんだろうか...

一人前になるまでに10年。
そのスタートが今だとすると、今現場には日本人の人材がおらず、そこに居るのは外国人です。この現状を鑑みると10年後、日本のメーカーを支えている中小零細企業の中核を担っているのは外国人と言う事になるでしょう。つまり日本のメーカーを支えているのは外国人と言う事になります。
会社自体が外国に出て行ってしまうと言う事は、10年では考えられないと思います。
切削、研磨、表面処理、それぞれの大きさの違い等、日本の製造業はその分野分野で細かく別れているので一社だけで完成出来る物は少ないから。
ですがそれぞれの分野の会社でそれぞれの会社のノウハウを吸収し、バリバリ働いてガンガン作っているのは外国人で、それに使われているのが日本人、と言う事になりそうです。
20年経ったら、我々も引退する時です。その時会社を任せられるのは誰でしょう?我々の業界の公用語はベトナム語になるんじゃないか?とすら思えます。

前述の「日本の製造業は世界トップクラス」なんて酒場で話していたら、外国人に「作っているのは我々だよ?」と言われる...(いや既にそうなってる業界もあるかな?)

その様な状況になった時、「今の現状を作ったのは誰だ?」なんて事になったりして...
それが我々の責任になってしまうのかなぁと思うと何とも言えない気分になります。
本当に転換期なんだなぁと強く感じました。

若い方を導いている教職の方々はどの様に考えておいででしょうか?
地元の技術高校の先生と話した時にその先生が「地元から本当の職人と言うのを輩出する事こそ技術高校の役目じゃないか?と思う事があります」と仰ってました。
ですが技術高校出身だろうが、3年と持たずに退職する子が多いのが現状です。

現状をひっくり返すのは難しい段階になってしまっているのかもしれませんが、何もせずにはいられない。もっと学校とリンクして行くべきなのかもしれません。他に出来る事ってなんでしょうね?

それとも技術を捨てて違う段階に移行する時期と言う事なんでしょうか・・・
(´ε`;)ウーン…


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