良心

何だか梅雨らしい梅雨って久しぶりに思います。
久しぶりだけど、この鬱陶しさは何とかして欲しいです。

米中の貿易戦争。前にちょろっと書きましたが、うちにも多少の影響が出てます。
うち辺りでも影響があると言う事はもっと大きい規模で動いている会社にとっては、かなり影響があると思います。
今度は日韓もキナ臭くなってきたし...
弊社は何とか忙しくやらせていただいています。
本当にありがとうございます。

写真はシャフトスリーブ。

内外径共、寸法、真円度、まずまずの出来ですね( ^ω^ )。
これ材質SUS304で不動態化処理してあります。
一目見ただけでは全然解らないですよね。
我々の仕事だとこう言う品物が結構あります。
材料も鉄だとS25CとSS400だったりSUS304、SUS316、アルミも様々な種類がありますよね。
「S25C」、SS400指定の図面で代替えに使用する事もあるかと思います。
納期と材料在庫の問題でSUS304のところをSUS316で行う場面もあるかもしれない。
これら「まぁ、問題無し」と判断出来る事って結構あるかもしれません。
けど全てお客様に確認を取ると言う事が大前提です。
材料を勝手に変えるのってこれ契約違反ですよね。
確かに「問題無い」のかもしれないけど、報告をきちんとしないと信頼関係が崩れます。

今まで何も問題無く付き合っていた会社がアルミの材料を勝手に違う種類にして取引停止になったと聞いた事があります。アルマイトの発色違いで判明したそうです。
用途的には何も問題無い様ですが発注する側からすると、当然ですね。

前述のシャフトスリーブは不動態処理後に検査して2~3μ寸法外れがあった場合、ペーパーかけて手直ししたら再度不動態処理が必要になります。(当然、不動態処理前に全検査です)
ここを「解らないだろうから」と言ってそのまま出荷するのは言語道断ですよね。
ですが、この辺って会社の良心にかかっている所でもあります。

前に「図面通り」というのが一番キツイと書いた事がありますが、会社の良心に任せなきゃいけない部分はやっぱり細かく書くべきなのかもしれません。
最終的に裁判沙汰まで進んでしまったら「図面に書いてあるか否か?」が大きなポイントになってしまう。その可能性があるなら、図面に書くしかないと言うか書かざるを得ない。

面粗度や幾何公差。バリの有無。
メッキや溶射の品質、膜厚、それから旋盤加工でよく出てくる「振れ」ですが、何も書いてなければ精級程度で0.1位はあったと思います。0.1ですよ?振れ0.1って言ったら回転状態の品物を目で見て振れてるのが解る位の振れ幅。勿論品物にもよりますが、精密加工であれば0.05以内が普通だと思います。
バリも材料によっては面の端にカエリが出たり、トンボして面で繋げば当然カエリが出る。
これらは人(会社)の感覚任せですよね。

それら全てを検査出来る訳でも無い。
価格が上がる一方になってしまう。だからこそメーカー側も協力会社と共に作り上げる訳です。それが信頼関係となって、価格にも反映される。
顧客と良好な関係を築いている場合、お互いの勘所が解るし、万が一何かあった場合も指摘しやすい。実は商売と言うフィールドでお互い良好な関係を続けていくには、ここが一番大事なポイントなのかもしれません。お互い人間なんだから。
ですがコストの名目で製品売り買い以外の部分を取っ払って行った結果、前述の様な「図面通り」となって結局コストに反映されてくる。コストをカットしようとして製品以外の部分(端的に言うと営業的な部分)をカットした結果、メーカー、協力会社共に疲弊する構造になってしまった。
変な形になって、更にお互い疑心暗鬼になってしまうのは何とも悲しい事です。

ただ、全てのお客様と深い関係を築いていく事は容易では無いし、逆に完全な商品管理体制を敷いてシステムとして運用するのも難しい。
昨今の所謂バイトテロに見られる様な仕事に対して責任感の無い人を見分ける絶対の方法は無いと思うし...仕事を任せる側としては本当に怖いです。
難易度の高い仕事、漏れの無い検査体制、この辺りを思うと人を増やし過ぎるのも問題ある様に思います。
この辺もまず第一に必須なのはお互いの信頼関係なのかもしれません。

自動化?AI?(´ε`;)ウーン…最終的に収めるお客様が人間なのだから、うちのレベル、多品種小ロットの業態では費用対効果は薄い気がします。(今後は解りませんが)
やっぱり某社の画像解析測定器を導入すべきなんだろうか...
だけどポンと置いてポンと測定結果出るのは寸法公差が広い物なんだよなぁ。
ミクロン精度の測定は某社の製品でもキッチリ使いこなせる熟練度が必要なんです。(先だってデモに来てもらって良く解りました。)

当然きちんと行っている会社もあります。
手前みそながら、弊社は5人程度の会社レベルですが、検査環境は工具商社をして「ここまでやっている会社さんは取引先では無いです。」と言ってもらえるほどの環境を整備する事が出来ました。(あまり上手く運営出来てないけど^^;)
だからこそ選んでもらっているのだと思いますが、メーカー、協力会社、商社...色々な所から話しを聞くと、結構酷い会社が多いのも事実なんですよね。
(中には社長自身がヤクザみたいな暴論をぶつけてくる会社もあるそうです。)
よく成り立っているなぁと思いますが...

会社にとって良心とはコストと真逆な様に思えますが、長い目で見ればまた違った見方が出来ますよね。


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