IT会社とのやり取りで、結局「あ~やっぱりか」と思った事がありまして、ちょっと書いてみます。
現在色々なIT会社が製造業と結びつきを強めていますね。
製造業側の立場で思う事は「あ~何も知らないだな」と言う事です。何となくマイナス感情で捉えてしまうのは簡単に考えている会社(人)が多いから。図面データがあればOKと思っていたり見積もりを出せば簡単に値段が出ると思っていたり...。
解らない事は解らないと言う基本的な所をもう少し踏まえた上で相対して欲しいなと思うのと、何でも良いから少しでも自分の手で何か作ってみて欲しいです。
仕事として製造業と一緒に、と言う事であれば多少なりとも「知っている」必要があると思います。
我々にしても例えばメーカーの設計と打ち合わせをする時に「こんな事も解らないのか?」と思わせてしまったら何も話しは纏まりません。だからと言って知ったかぶりでは余計幻滅させるだけです。
そもそも「こんな事も解らないのか?」と思われる程度であれば、ビジネスとしてどうなのか?とも思えますが、それを覆すだけの何かがあるから事業として成り立っていると思うので、解らない事は解らないけど相手側が解らない事をこちらは知っていると言うスタンスで良いんじゃないかなぁと思います。
まぁ現状こちら側にとって何もプラスにもならない事の方が多いし、解ったような話しぶりをしてくる人が本当に多くて辟易してしまいます。
薄っぺらい話しを延々と得意気にされても正直┐(´д`)┌ヤレヤレと思うだけです。
人手不足なのはどこの業界も同じだと思うので簡単には行かないと思いますが専門的な人を技術アドバイザーとする等してくれると、もっと深まると思うんですが...
ろくに図面も見れないのに図面の話しをされてもねぇ。
組図等は各部品に別れていますよね。全長で6メートルとかの組図の③の部品を検討して欲しいと書いているのに「6メートルは加工範囲外なので不可です」とか返信来てもなぁ。(③の部品はφ375で長さは70㎜でした。)ホームページやそこに書いてる事は立派なのに、ちょっと話しにならないです(;´Д`)。
うちらの業界も「切削」「表面処理」「研磨」「溶接」等々、それぞれ専門分野に別れていて難しくなればなる程、他分野からは口出し出来ない位深くなってきます。旋削一つ取っても物の大小、長短、材質等々で別れて行き、それぞれ難しくなる程、違った勘所が出て来ます。
「肉厚なら簡単」、「アルミなんて簡単」とかを公に口で言う奴程、実は現場経験5年以下等の雑魚い奴が多いです。(ちょっと口悪くて申し訳ないですが、この手の奴って嫌な奴が多いんです)
IT系の会社さんだと現場経験はゼロと言う人が大半なんじゃないでしょうか?
簡単な仕事はCADCAM等があれば大よその値段、納期が出るのでシステム化出来るのでしょうが、ちょっと手が込んで来ると一筋縄では行かないのが現状です。AIも発達してきて、少しはまともになったかな?と思いましたが、話しを聞いたり実際に依頼してみて感じた印象は「まるで深くなっていない」と言う事でした。
うちのIT関連会社との繋がりと言うとホームページ運用でお世話になっているテクノポートさんとの繋がりでしょうか。
私が独立する前からご縁があったのと、当時のご担当者様の熱量があった事が切っ掛けでお世話になる事になりました。
色々な事に挑戦されていて、横の繋がりも広い会社さんです。確かに製造業の技術的な知見では劣る部分がありますが、IT技術と人脈の広さを生かした取り組みで自社の強みを出している様に見受けられます。
弊社も人脈の部分でお力添えをいただいてます。
中々上手く繋がっているかな?と思えますが、全体的には残念ながら相互理解はあまり進んでいない様に思えます。
私の周りの仲間からは「あいつら(IT系の方々)何も知らないんだよ」と言う声が大半(と言うか全て)です。
言葉は悪いですが、要するに何だか胡散臭いんです。
製造業はどの様に儲けを出すか?作って売って利益を出す。物凄くシンプルで解り易いですが、IT関連はそのシンプルな構造に寄生(言葉悪くてスイマセン)するのが本質だからか、解り難く複雑にして無いですか?だから余計胡散臭さを感じてしまうのだと思うんです。
我々の業界は今後、人手不足による自動化、AIの発達等が見込めますよね。
だからかな?最近この様な「ITと製造現場を繋げる」様な事を事業にする会社が目に付く様に思えます。我々の業界って実は魅力的な市場なんですかね?
であれば、その辺(収益の仕組み等)をもっとオープンにしてくれると胡散臭さも消えるし、こちら側としても「この会社はこう使ってみよう」とか色々考えられて面白いんですけどね。
IT側の方が加工に関してまるで無知なのと一緒で我々側もITについては無知なんです。
胡散臭く見える構造もIT側の方からすれば「これがスタンダード、こんな事も理解出来ないの?」みたいな感じかな?
我々の側ももっとITの事について知らなくてはいけない様にIT側の人も冒頭で書いた様に何か物を作ってみて欲しい。その立場にならないと解らない事ってあると思いますしね。
そしてもう一つ大切な事。現状まだまだ人対人。
人としてどうなの?って所が最も大事な所ですよね。
前述したテクノポートさんは、その辺を大事にしてると言う事を行動で示しておられるので信用を得ているのだと思います。少なくとも私はそうです。
日本の製造業の強みの一つは技術力だと思います。それを使って商売している会社は既に利益を出している会社です。若い経営者であれば「ITと連携?面白そう」と乗ってくれるかもしれませんが、そうじゃない会社も多いですよね、だって既に利益出てるんだもん。胡散臭い連中と一緒にやりたくないと思ってるかもしれません。(私も含め、仲間の会社はそういった考えの会社が多いです)
では高い技術を持っている会社と連携するにはどうすれば良いのか?
もっとお互い理解を深める必要があるのではないかな?と思います。