スリーブ(ちょっと長い物)

懸念だったスリーブ各種。やっと目処が立ちました。
これ、嫌らしい長さなんです。280㎜、370㎜肉厚7~8㎜。内外径H5~H7程度の交差です。
この仕事を受ける時に「うぇ~これは...」と言う図面だったので、ウダウダ言って逃げ腰だったんですが(苦笑)
お客様の会社で実際に加工している職人さんと打ち合わせしている時に「あ~やっぱりそこですか!」みたいな共通点があったりして、何となく職人談話を続けてたら逃げられなくなりました(;´Д`)

10″チャックでのチャックワークだと長さ280㎜微妙な所ですが、流石に370㎜はチャックワークだと苦しい長さ。(まぁ280㎜も長いっちゃぁ長いですね。)
ここで登場するのが振れ止め、(振り止め)です。

ジャジャーンと。
まぁ特段珍しい道具でも無いですね。遥か昔からある旋盤の治具。
上の写真はNC旋盤用ですが、汎用機でも良く使います。
こんな感じ。

主に長尺のワークを支えて加工する為に使いますが、ただ単にセットすれば良いってもんじゃ無いんです。
はじめに基準を作って、真円を意識しつつ仕上げ段階まで持って行く。
SUS304なので(まぁ304に限らずですが)仕上げの時の取り代を出来るだけ少なくする。
ベアリング式でも固定式でも全て同じ力で当たる様にする...等々。
基本的な所や注意点がいくつかありますが、肝は振れ止めをセットする部分(鉢巻とか道とか言います)だと思います。ここの精度が仕上がりに大きく影響します。

今回径方向の交差でキツかったのは外径φ140、内径φ125のスリーブの交差±0.008程度でしたが、上記の注意点を踏まえて径方向の交差は何とかなりました。
今回のスリーブのいやらしい所は全長方向の交差±0.01です。
旋盤てのは径方向の寸法は調整しやすいけど、全長は段取りに拘らないと一度機械から降ろす必要があったりして面倒なんです。これホント面倒なんですよね~特に交差域がキツイと再度乗せる時に気を使いますから。

気を使い過ぎて最後の方はグダグダになりましたが、ミーリングまで加工してチェック。
オッケーオッケー。真円度も0.015以内には入ってる感じです。
上手くいくと「うっし」みたいな声出ちゃいますよね?自分だけかな?
て事で「うっし」
ありがとうございました。


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