6月もいつの間にか終盤に差し掛かりそうです。
梅雨らしい梅雨空が続いていて、ちょっと滅入って来ますね。
お陰様で忙しくやらせていただいています。ありがとうございます!
写真はシールが当たる所謂シャフトスリーブです。シールが当たる外径に超硬溶射が必要な品物。
外径φ150、内径φ140、丈41.交差は内外径h7程度の交差域ですが同軸、真円度が0.01と結構キツイ縛り。
外径面粗度Raで0.05程度。材質はs45c。
先月からずっと続いている加工。
中々面倒な仕事で、どこも手を挙げる所が無いと言う燃えるシチュエーション。
「無理かもしれない」という前置きで見積もりさせていただきました。
実を言うと超硬被膜品は今回初めてでした。まぁ何とかなるかなぁと思ってましたが色々と見込みが甘かったです。
超硬被膜は旋削可能と言えば可能ですが、幅40程度切削するのに20分以上かかるし切り込みは0.1も切り込めない。
旋削で寸法出しは厳しいと思えます。(この辺は要研究ですね。)
内径、丈をうちで加工して外径は研磨屋さんにお願いするという流れで行きました。
外径の一部分は地金なので、内径を真円度0.01以内で加工し外径の地金の部分と内径を同軸度0.01以内で加工してその外径基準で芯出し、外径研磨と言うプラン。
問題の研磨屋さん探しですが弊社の協力会社様は設備の関係で不可。
(ダイヤの砥石を持っている所は少ないですね)
それではとホームページ検索して...えぇ、かなり問い合わせましたよ...一軒も無しw
少しも取り合ってくれない(;´Д`)
研磨もそうですが、溶射の相談に乗ってくれる会社も少なかった...(お答えいただいた会社様には感謝しております。)
薄物OK、超硬研磨得意なんじゃないの~q( ゚д゚)pブーブーブー
愚痴っちゃいました、すいません。
まぁある程度予想ついていたので、お客様には「厳しいかもしれない」旨は伝えてありました。
これは厳しいかなぁとお断りしようとしていた時にお得意様と話していたら、協力会社様に問い合わせしてくれました。
あっさり「出来るよ」とのお言葉。上には上がいらっしゃいますね。
見積もりOKいただいて、いざ開始。
寸法、交差はクリア出来ました。うちの三次元でもきっちり0.01以内になってます。流石!
ですが...面粗度でNG。ここで躓くかぁ...(´ε`;)ウーン…
研磨して磨けばOKと思っていただけに、どうした物かと思いましたが難しい研磨を引き受けるこの界隈では有名な研磨屋さんを思い出して早速連絡。
これまたあっさりOK。
NG品を渡して試作していただき、それをお客様に見て頂きOKをいただきました。
NGになってしまったとは言え、はじめの研磨屋さんもこの厳しい交差をクリアしてきたし本当に上には上が居るなぁと痛感。
それと今回は超硬被膜を旋削したり、色々勉強になりました。
この形状、そしてこの交差がクリア出来れば今後超硬溶射品も大体は何とかなるでしょ。
こういう仕事は非常にストレスがかかりますが、メチャ楽しいです。
最終的に上がってきた品物を検査してみたら面粗度Ra0.04、内外径の真円度は0.007以内。同軸度は全て0.003以内に入ってました。
物になるとさらにテンション上がりますね。
関係者皆様のご協力あっての事です。ありがとうございました!