SKT4、スリーピース品

先だって不動産屋さんが更新の書類を持ってきました。
2月で丸6年。
2回目の更新になります。月並みな言葉ですが、月日が経つのは早いですね。本当に早かった。
1人で始めた事ですが、従業員も現在4名になりました。(私の力不足でゆっくりした歩みだなぁと思いますが(^ω^;))
工場も当初から比べるとかなり狭くなりました。

さて、たまには加工の話し。
SKT4、用途は同じだけど毎回形が違う製品。
いつもはワンピースですが、今回は本体と二つ割の部品のスリーピース。
ここの所、忙しさに拍車がかかっている状態なのをお客様がお察し下さり、二つ割は他社様が行った物です。

本体をSKT4の丸棒から削り出し、合体させて仕上げると言う工程です。

丸棒のSKT4を荒加工&M36P4加工。
さすが工具鋼、圧倒的なツルピカ感w

外径荒加工終了。
まぁ固いですね。
うちは通常住友のAC630Mを使ってます。様々な加工、材種がありますが、鉄、SUSで使えるし、周速もそこそこ出せるし気に入ってます。
外径端面加工はほぼ全ての品物で行う加工なのでバイトもチップも付けっ放し。
横着してそのまま始めましたが4パス位で刃先が参ってきます...流石に工具鋼の荒加工は厳しいか。
φ230からφ90に落とすのにこれでは逆に時間かかってしまう(;^ω^)
そこでAC810Pを使用。
余談ですが
後ろの二桁がJISの番手のイメージですね。少ない数字の方が硬いと考えて良いと思います。
硬い材料には硬い刃物。断続加工の様に刃先が叩かれる場合は硬いと欠けてしまうので、ねばりを持たせた刃物を使う。
断続加工~中高速加工まで幅広くカバーできるのは20~30番だと思います。
各社様々な名前が付いてますが基本的には同じ様な考え方で間違えないです。

今回のSKT4は硬い鋼材なのでねばりのある刃物よりは硬い刃物の方が良いです。
刃持ちが倍以上違います。
と言っても10番代は中々使い難い種類で使う状況も限定的な様に思えます。
黒皮からの加工だと弱断続になりがちですが、この程度の断続加工で欠ける事があるので、今回の様に荒加工で長時間かかる場合
放っておくと大惨事になる事もあります。

こんな感じで結構派手に欠けます。
まぁ切削音や状況変化で判断できますが。

ひっくり返して内径φ78±0.05深さ175に加工。
深いね(;´Д`)
オークマのNC旋盤は通常の状態ではφ40以上の内径バイトが使えません。
基本的にバイト径の3倍が安定加工の限界突出し長さと考えると深さ120。
うちは既存のホルダーを改良してφ50のバイトを付けられる様にしているのでφ65以上なら深さ250程度までは特に考えなくても精密加工が可能です。
これがマザックだと普通にφ50バイトが取付可能なんですよね?機械も一長一短ありますね。

これで旋盤荒加工は終了。結構削りました。
70kgから片手で持てる位まで削りました。

ここからマシニング。
長穴加工です。干渉しない様に工具を選定して加工...結構工具増えたなぁ。年月の積み重ねは大きいですね。
それでもホルダーをギリギリ干渉しない様に改良しないと無理な加工だったので、想定以上に時間かかりました(;´Д`)

オッケー完了。

これを二つ割りの部品と合体させます。

こんな感じ。

二つ割りの部品を上手く取り付けて心出し。
旋盤で外径加工して完成。


まぁまずまず。

さて7年目に突入です。
ラッキー7でボーンと景気良く行きたいですねw

今月もよろしくお願い致します。


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