職人技の一般化

今年もいよいよ大詰めですね。
今年の年末は独立してから一番忙しいと思える年でした。
うちだけじゃなく、全体が沸騰してる感じで景気の波がここまで来たなぁと実感しております。

弊社は私が旋盤を主に仕事をしてきたので、どちらかと言うと旋盤加工の方がメインです。
旋盤加工と言うと、その特性上丸いモノを作る事が多いですし、異形の加工は出来ないイメージがあります。
複雑な加工は出来ませんが、丸から四角にしたり等ある程度単純な形状であれば旋盤で加工が可能です。

写真の様に角の一面に穴を開けてネジを切ったりする加工はマシニング等で行うより旋削した方が効率が良い場合が多いです。
(三個が合体して一つのバルブになります。)


上の写真の様な鋳抜きやロストワックス形状の品物に穴を開けたり、基準面を作ったり等も旋盤の方が早い場合があります。

異形加工のポイントは把握方法と断続切削。
把握方法については品物ごとに千差万別、治具の出来で決まって来ます。その治具も今はかなり色々な種類が売っています。ナベヤやイマオ等々。
そして断続切削。
基本的にはサーマルクラックを避ける為に無給油での加工になりますが、それでもステンレス等の断続切削は中々面倒なので敬遠される会社さんが多い様ですが最近のチップはかなり優秀だなぁと思える物が多くて助かります。
ステンレス以上の難削材断続加工は私もちょっと腰が引けますが(;^ω^)

また治具を作るのは複合機があるとかなり便利。その場で穴開けタップが出来て、ミーリングもOKとなると使わない手は無いです。
品物を把握する爪も昔に比べて種類がかなり増えました。
昔は扇形に切り出して溶接して...等と結構面倒でしたよね。


前述のバルブ本体です。
端面の溝が深いんですよ、これ。
内径φ26で深さが32、中心はφ15のボスが残る感じの加工です。
一昔前なら図面見て「うわぁマジか、これ~(;´Д`)」って思った物ですが、今は市販のバイトでサックリ加工出来ちゃいます。
これも昔だったらハイスの板からバイトを作る所です。(端面溝バイトは作るの難しいですよね。)
こうして人の手が頼りだった加工に技術が追い付いて来るのは楽になるけど何とも言えないです。
この端面溝の刃物が本当に良く出来ていたので、人の手が必要だった所謂職人技は大部分が一般化してきたなぁと改めて思いました。

私的に今は、どれだけ工具の情報を持っているか?これが重要な技術の一つだと思います。
機械も色々な加工が可能になっているので、それらの知識情報も押さえたいですね。
例えば仕上がり寸法が、かなり薄かったり一部切りかけてたり、窓穴が開いてたりする形状は、普通に切削だけのアプローチだと難しい場合がありますが、ワイヤーや放電等は切削じゃ考えられない様な加工が可能なので、行き詰ったらこれらの方法からアプローチしてみると案外簡単に出来たりします。

勿論それらを思いつくには経験が必要なんですけどね。
下調べをキッチリする。加工(手術)方法の知識が豊富でそれぞれの対応策が的外れじゃない。
まさしく「私失敗しないので」、あれですよ、あれw。
「私も失敗しないので」...あ、嘘っす(;^ω^)


2 comments to this article

  1. てって

    on 2017年12月18日 at 9:11 PM - 返信

    失敗と思うから失敗なのであって、次に活かせればそれは失敗ではなく糧になったと言えますよね(^^;;

    何事も経験だと思いつつやってます(笑)

    • daitetsuseikou

      on 2017年12月19日 at 7:15 AM - 返信

      そうですね~。
      失敗があるからこそ、それを改善する為に考え、実行し成し遂げて経験が貯まる。
      改善しようと思わない人ととの差が、そこで付いてきますよね

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